
ウェブの3分の1がAI製になった日に、Googleは「指名ボタン」を配った
こんにちは、カイロスAIです。毎朝7時、アメリカのAI副業事情を日本語でお届けしています。
昨日、8月20日のアメリカで、まったく別の2つのニュースが同じ日に出ました。ひとつは「ウェブの3分の1がAI製になった」という調査。もうひとつは「読者があなたを指名できるボタン」の配布開始です。
別々の話に見えますが、並べると1本の線になります。今日はそこを日本語で解説します。
■ その1:ChatGPT以降のページ、3分の1超にAIの痕跡
アメリカの調査機関ピュー・リサーチセンターが、8月20日に「インターネットのどれくらいがAIで書かれているのか」という調査を公開しました。
調べたのは、Common Crawl という公開アーカイブに入っている英語のウェブページ、約49万件です。2021年から2026年までのものを集めて、AIが書いたときに出やすい言葉の癖を機械で判定しています。
結果はこうです。
・2026年7月時点で、全ページのうち約10%に「AIが書いた強い痕跡」がある
・ChatGPTが公開された2022年11月より後に出たページに絞ると、3分の1超(35%)になる
・ドメイン別では、.comが約10%、.orgが4.6%、.eduと.govは約1%
商用サイトほどAIで書かれている、という結果です。
ここは大事なので先に書いておきます。これは「3分の1のページがAIだけで書かれた」という意味ではありません。ピュー自身が「AIの検出モデルは完全ではなく、個々の文書を誤って分類することがある」と明記しています。あくまで「大量に集めて眺めると、こういう傾向が見える」という話です。
それでも、方向としてはひとつのことを示しています。文章の量は、もう差別化の材料ではなくなった、ということです。
■ その2:Googleが「指名ボタン」を配り始めた
そして同じ8月20日、Googleがサイト運営者向けに新しいボタンを配り始めた、とテッククランチが報じました。
「Preferred Sources(お気に入りの情報源)」というボタンです。自分のサイトに埋め込んでおくと、読者がそれを押すだけで「このサイトを優先的に見せてください」とGoogleに伝えられます。以後、その人のGoogle検索・Discover・Googleニュースで、あなたのサイトが出やすくなります。
報道によると、Googleは「お気に入りに登録された情報源は、クリックされる確率が2倍になる」と説明しています。ただし、その元になった調査の出典は記事には書かれていません。また、2026年5月にこの仕組みがAI Mode・AI Overviews・トップニュースへ広がった時点で、のべ345,000の情報源がすでに登録されていたそうです。
背景には、AIが検索結果の中で答えを出してしまうせいで、サイトへのアクセスが減っているという事情があります。Google自身がそれを認めて、対策の道具を配り始めた、という構図です。
日本で今日から使えるかどうかは、どのソースにも書かれていませんでした。ご自身のGoogleの設定画面に「情報源の設定」が出るかどうか、一度確認してみてください。出なくても不具合ではありません。
■ 2つを並べると見えること:「検索される」から「指名される」へ
ここまでを1行にまとめます。
文章の量が無限になった日に、読者が名指しできる仕組みができた。
これは順番が逆ではありません。量が無限になったからこそ、選ぶ側は「誰が書いたか」で決めるしかなくなった。だからGoogleは、読者に指名させる道具を配ったのです。
言い換えると、こうです。
商店街の飲食店が、ある日いきなり3倍に増えたとします。看板もメニューも似たようなものばかり。そこで商店街が配り始めたのが「常連カード」でした。増えたのは店の数で、減ったのはお客さんが選ぶ気力です。だからお客さんは、いちいち比べるのをやめて、行きつけの店に行くようになる。
いま起きているのは、これと同じことです。
■ 副業をしている人には、どう効くか
「うちはメディアじゃないから関係ない」と思われたかもしれません。でも、noteを書いている人、ブログを持っている人、SNSで発信している人は、もう全員が当事者です。
理由は単純で、記事を「たくさん書けること」がもう強みにならないからです。AIを使えば誰でも書けます。実際、商用ドメインの1割にはもう痕跡が出ています。
そのかわり、これから値段がつくのは「あなたに頼みたい」と名指しされる状態のほうです。
たとえばライターの仕事で考えてみてください。「1本5,000円で記事を書きます」は、これから買い叩かれます。でも「読者があなたのサイトを指名する導線まで作ります」と言えたら、それは別の商品です。前者は納品物で、後者は成果です。
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「今日できる一歩」と「提案書に足せる一行」は、この先に書いています。
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