気づいたら順位が変わってた──2026年5〜6月、AI動画ツール「主役交代」の全体図
「Sora 2 が最強でしょ?」
半年前の合言葉は、もう古い。
2026年4月〜6月にかけて、AI動画とAI画像の上位モデルが、静かに、しかし完全に、入れ替わった。
このnoteは、その地殻変動を1ページに圧縮したものだ。
作業の現場で「次に何を握るか」を3分で決めるための地図として使ってほしい。
■ ChatGPT Images 2.0(GPT-Image-2)──「日本語ポスター」が一発で出るようになった
OpenAIが4月21日に出した GPT-Image-2 は、ただのアップデートではない。
・テキスト精度が 90〜95% → 99% に
・日本語(漢字・ひらがな)、中国語、韓国語、ヒンディー語、アラビア語の文字を正しく描画
・1プロンプトから最大8枚、キャラと小物の同一性を保ったまま生成
・2K解像度、3:1〜1:3 のアスペクト比
・公開12時間で Image Arena 1位、過去最大の +242 ポイント差
何が起きたか。
これまで「AI画像 + Photoshop で文字を直す」が前提だった作業が、1パスで完結するようになった。ポスター、メニュー、UIモック、サムネ。文字を含むビジュアル制作の単価が、ここで一段下がる。
そしてもう一つ。DALL-E 2/3 は 5月12日で完全廃止された。これは「旧世代モデルを並行運用していたチーム」全員が、好き嫌い関係なくこちらに移行したということだ。
■ Seedance 2.0(ByteDance)──Veo 3 と Sora 2 を抜いた「シネマティック動画」の本命
2月12日にByteDanceの SEED Lab がリリース、4月9日に fal で API 公開。
Artificial Analysis の Elo スコアは 1,269。これは Google Veo 3、OpenAI Sora 2、Runway Gen-4.5 を上回る数字だ。
技術的に効いているのは、テキスト・画像・音声・動画を1つのモデル内で扱う「統合マルチモーダル生成」アーキテクチャ。出力としては、
・シネマティックな映像
・ネイティブ音声(別途音入れ不要)
・マルチショットのカット割り
・リアルな物理挙動
これらを 1回の生成で同時に出す。
広告動画、ショートフィルム、シーン物の作業順序が「映像→効果音→BGM→カット編集」から、「1プロンプト→微修正」に短縮された。
ただし注意点。
2026年4月、ByteDanceは100カ国以上での提供を発表したが、アメリカは除外されている。日本は使える。Hollywood各社の法的圧力を受けて「Content ID for AI」も導入された。著名人の似姿や有名映画スタイルの再現はブロックされる仕様だ。
■ Gemini Omni(Google)──「会話で動画を編集する」発想の転換
5月19日の Google I/O 2026 で発表。Gemini アプリ内の Veo を置き換える形で、World Model アーキテクチャを採用した新しい動画生成・編集モデルだ。
ここが本質的に他と違う。
・ピクセルではなく、3D環境の状態を時間軸で予測する
・深度、光、重力の内部表現を持っている
・だから「グラスが落ちる」と書くと、軌道と衝撃を物理法則に基づいて描く
そして使い勝手側。
タイムラインもレイヤーもない。「背景の人を消して」「ライトを暖色に」「ナレーターの声を女性に差し替えて」と書くと、モデルが再レンダリングする。会話編集。
Flash版なら 5秒 1080p のプレビューが 15秒以下 で生成される。Google AI Plus / Pro / Ultra サブスクライバーに展開中、YouTube Shorts と YouTube Create アプリでは無料で配布される。
「自分用アバター」も作れる。生成可能なのは本人だけ。ここは騙されないでほしい──ディープフェイク対策ではあるが、同時に「自分自身を素材にする」という制作モードが標準装備されたということでもある。
ここから先は有料部分です(残り約975文字)
「今日できる一歩」と「提案書に足せる一行」は、この先に書いています。
決済は Stripe で安全に処理されます。購入後、この画面に続きが表示されます。